「金融円滑化法」について、現状は?
中小企業者等に対する金融の円滑化を図るための臨時措置に関する法律(以下「金融円滑化法」という。)について、金融庁は平成22年6月30日に本年3月31日までの状況を行政庁に報告しました。その報告によると申込件数は481,367件(129,882億円)、実行368,074件(102,286億円)、謝絶6,417件(1,982億円)、審査中91,191件(22,485億円)、取下げ15,685件(3,104億円)となり実行率①は98.3%(実行件数/(実行件数+謝絶件数)))実行率②は76.5%(実行件数/申込み件数)という状況であり、債務者が取下げる際の理由について「債務の弁済に目途が立ったもの」が半数以上を占め、金融機関が謝絶をする際の理由として「申込み日から3ヶ月経過して謝絶とみなされたもの」が約半数を占めているということです。1
問題はこれから
さて、問題はこれからです。というのも、金融円滑化法は金融機関に対し、1.努力義務、2.自らの取組み、3.行政上の対応、4.更なる支援処置、5.その他、を制定している法律で罰則まで付されており、原則として申請を受けなければなりません。しかし、金融機関がそのまま受けてしまうと企業の格付けのランクが下がり金融機関内部の引当金をより多く積む必要が生じる結果、金融機関自体にも不都合が出てしまいます。
金融検査マニュアルでは
そこで、金融検査マニュアル、中小・地域金融機関向けの総合的な監査指針には、「特に、実現可能性の高い抜本的な経営再建計画に沿った金融支援の実施により経営再建が開始されている場合には、当該経営再建計画に基づく貸出金は貸出条件緩和債権には該当しないものと判断して差し支えない。また、債務者が実現可能性の高い抜本的な経営再建計画を策定していない場合であっても、債務者が中小企業であって、かつ、貸出条件の変更を行った日から最長1年以内に当該経営再建計画を策定する見込みがあるときには、当該債務者に対する貸出金は当該貸出条件の変更を行った日から最長1年間は貸出条件緩和債権には該当しないものと判断して差し支えない。」とあります。このことは、銀行の自己査定では格付けが下がらず、引当金の引当額を増やさなくても良いという指針が出たことを意味します。
解決しなければならない問題
実は、ここに大きな問題が生じているのです。なぜなら、一方で、金融機関はこの指針を盾に積極的に申請を受け入れていると言えますが、他方で、申請をしているほとんどの中小企業もこの指針を盾にまだ「経営再建計画」の提出を出していないと考えられるからです。
金融円滑化法が実施されてもうすぐ1年になろうとしているこの時期に「経営再建計画」の提出について金融機関から要請されるのは間違いないでしょう。今こそ「経営再建計画」の作成をきちんとお手伝いできる会計事務所が必要なのです!
なお、内容については次回簡単に説明したいと思います。